AGGT Eye Pro v2.x系の左右判定アルゴリズムに構造的脆弱性が判明しました。 本サイトを利用してくださっている全ての方へ、AGGTプロジェクトとしての訂正注記と、 今後の方針をお伝えします。
2026年5月、本サイトで公開していた症例報告 #001(重度側弯症)の患者さんを、最新版 AGGT Eye Pro v3.5.2β で再計測する機会がありました。同一の方を、改良したものさしで測り直したのです。
その結果、公開していた v2.13.2 による計測値と、v3.5.2β による再計測値で、左右の傾斜角の大小関係が逆転している可能性が浮上しました。さらに目視所見との照合により、v3.5.2β の方が実際の身体状態と整合することが確認されました。
つまり、世界に向けて公開していた症例報告の計測値は、左右を取り違えていた可能性があるということです。これは個別の症例の不具合ではなく、v2.x系のアルゴリズム全体に関わる構造的な問題でした。
独立検証パートナー Manus AI の解析と照合した結果、v2.x系には次の二つの構造的脆弱性が共存していたことが言語化されました。
この二つの脆弱性は、撮影条件の改善だけでは解決できません。被写体の左右ROI分離は、画像のメタ情報(身体の中心線、関節位置)に基づいてアルゴリズム側で行う必要があります。これが v3.x系で取り組まれている改善方向です。
本構造的脆弱性は、AGGT Eye Pro v2.x系を用いて行われた全ての計測に影響している可能性があります。具体的には:
これらの数値の左右判定が逆転していた可能性を否定できません。確実に正しいと断言できる範囲は、本不具合判明前には限定的です。
ただし、頭頂偏位の検出など、左右判定に依存しない計測項目については、本構造的脆弱性の影響を受けません。例えば、本件の症例報告における頭頂偏位の8セット連続計測は標準偏差0.74°と堅牢であり、別の角度から不具合の検出を支えました。
AGGTは、開発初期から「治療法ではなく、観測装置・共同検証プラットフォームである」と位置づけてきました。物理科学から導き出された数値は嘘はつかない——しかしその数値を導き出す道具自体に欠陥があれば、出力される数値もまた偽りとなる。これは観測装置を名乗る以上、最も厳しく自らに問わねばならない一点でした。
本件は、AGGTプロジェクトの当事者として、私たち自身の欠陥が生み出した過ちです。利用してくださった皆さま、参照してくださった研究者・臨床家の皆さま、症例公開を許可してくださった患者さんとご家族に、心からお詫び申し上げます。
AIによる相互チェック(Claudeと Manus AI の二重確認)は、本不具合の検出に失敗しました。両者は同じ入力数値を前提に論理推論を進め、入力そのものを疑う工程を持っていませんでした。「AIが2つ同意した」という事実は、独立検証ではなく「同じ前提から、同じ系統の推論で、同じ結論に至った」だけだったと、私たちは認識しています。
真の独立検証点は、所長の臨床直感でした。「結果があまりに極端すぎて信じきれていなかった」「怖かった」という、論理整合性そのものへの懐疑が、結果として患者さんを守りました。
AGGTの核心理念は、開発当初から変わりません。「物理科学から導き出された数値は嘘はつかない。だからこそ、さまざまな実践を積み重ね、世界中の皆さまと共にこの仮説を検証し、高めてゆきたい。」
本件は、この理念の実装そのものです。より精度の高い「ものさし」が、過去の「ものさし」の誤りを検出した。これは恥ではなく、観測装置が進化する過程で不可避的に起きる自己修正です。隠さず、開示し、記録として残します。
AGGTは、これからも CC BY-SA 4.0 のオープンライセンスのもと、世界中の検証参加を求め続けます。
AGGTプロジェクトは、本件をひとつの節目として、「創り出す時期」から「検証する時期」へ 段階を移します。具体的な方針は以下の通りです。
左右判定が逆転していた可能性があります。過去に計測されたデータは、参考値としてのみお取り扱いください。
v3.x系はβ段階です。診断や介入判断の根拠ではなく、自身の臨床的思考を補助する観察ツールとしてご利用ください。
1枚計測からの判断は避け、最低3枚の撮影と数値のばらつき確認を行ってください。再現性の低い計測値は信頼しないでください。
論理が美しく整いすぎる時こそ立ち止まり、目視所見・触診・既存検査との照合を行ってください。数値は補助であり、判断主体ではありません。
本件に関するご質問、AGGTの計測値を参照されていた研究者・臨床家の方からのご相談、独立検証へのご協力のお申し出を歓迎します。AGGTは、皆さまの検証参加で完成する道半ばの仮説です。
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