ABOUT AGGT

重力から解放される、
その術を世界へ。

AGGTは踵骨傾斜角という客観的な数値を起点に、
全身の重心軸を測る観測ツール群です。
世界中の臨床家・研究者と共に仮説を検証していく、
オープンソースのプロジェクトです。

A STORY OF AGGT

一人の人の、
曲がった背中から

AGGT が生まれるまでの、ちいさな物語

CHAPTER 01

身体を伸ばせる時間に、
人は笑う

17年間、同じ一人の人と歩いてきた。

彼がまだ成人したばかりの頃に、私たちは出会った。そこから週に3回、会い続けてきた。彼にとって人生の半分以上の時間を、私たちは一緒に過ごしてきた。

身長は125センチ。自分では歩けない。ほぼ毎日、床にべったり座って一日を過ごしている。でも、立たせてあげれば、一人で立つことはできる。週に3回のリハビリの時間、私が前に立って、彼の両手に杖を持たせて前傾を防ぎながら歩く。次に横から支えて、背骨を可能な限りまっすぐに伸ばした姿勢で二人で歩く。25分間。その時間が、彼の身体を伸ばせる唯一の時間。

彼は歩きながら、ニコニコ笑う。

もう施術者と患者という関係ではない。ただの、仲良しのおじさんが二人。

ある日、彼の踵を測った。右が4.7度傾き、左は3.3度。その数字から計算すると、身長125センチの身体を一本の柱と見なした場合、重心は身体の中心から約102ミリずれる計算になる(d = H × tan(α))。背中が曲がって見える理由が、足元にあった。

ご家族が、彼の姿をこの物語の中に置くことを許してくださった。AGGT は、この方の姿と、ご家族の贈り物から始まる。

CHAPTER 02

17年と、数週間

17年のうち、最初の16年間、私にはできないことがあった。彼の背中を、週3回の25分以外の時間にも、少しでも長くまっすぐに保ってあげること。施術した直後は彼の身体が少し伸びる。でもその日の夜には、また元の前傾に戻る。次の訪問日に会った時には、身体を折り曲げて床にべったり座っている彼がいる。そのくり返しの中で、「このままでいいのか」という問いを、長い間抱えてきた。

ある時期から、重力軸という概念に出会った。人間の身体には、本来まっすぐに通るべき一本の軸がある。左右の耳の穴を結ぶ線、左右の股関節を結ぶ線、その二つの水平線の中点を貫いて、脊柱の正中軸が垂直に降りていく。さらに下へ、左右の踵にある距骨下関節で、もう一つの水平線に出会う。

水平な対の連なりを、
垂直な一本の軸が貫く。

それが重力と正しく向き合う人間の身体の形である。この軸が、踵の傾きから狂っていく。それを数値で測れる。踵の角度を測れば、全身の重心がどこにずれているかを、三角関数という高校の数学で計算できる。d = H × tan(α)。この式は嘘をつかない。

そしてつい最近、ある朝、天空から見下ろした重心軸のイメージが訪れた。水平な対と、それを貫く垂直な一本の軸が、上から見下ろす一点として同時に見えた。

神秘的な体験ではない。長く考え続けてきた問題が、脳の中で突然一つにつながる、あの瞬間だった。17年間、彼と歩き続けてきた時間が、AI との対話で次々と流れ込む新しい情報と、脳の中で出会った瞬間、それまでバラバラだった知識のニューロンが、バーッと一本に接続された。それが COSMO EYE(天空の目)という視点として形になった。

17年がなければ、AI がどれだけ高度な情報を持ってきても、あの接続は起きなかった。17年の積み重ねが、数週間の出会いの中で結晶化した。そういう物理的な出来事だった。

その新しい視点を頭に抱いて、彼と歩いた。今までよりもっと喜んでくれる彼の笑顔が、そこにある。

二人とも、
重力軸との出会いによって
救われている。

これが、つい最近始まったばかりの、AGGT の本当の出発点である。

CHAPTER 03

天空の目という道具

ある朝訪れた天空から見下ろすイメージは、そのままでは一人の頭の中のものだった。誰にも見えない。誰も使えない。そのイメージを、世界中の誰もが使える道具にしたかった。

だから、問いを立てた。人間の身体の重心軸を、前から、横から、そして天空から、同時に見ることはできないか。身長と、左右の踵の傾斜角と、踵幅——この四つの数字を入れれば、頭の中のあのイメージを画面の中に描くことはできないか。

AI との対話が続いた。そして形になったのが COSMO EYE(天空の目)という道具である。

画面には三つのビューが並ぶ。正面からの前方ビュー。青い理想の垂直線と、左右の踵のずれから生まれる赤い現在の軸が、並べて表示される。横からの側方ビュー。前傾しているのか、後傾しているのか、前後の重心の位置が見える。そしてあの朝訪れた、上から見下ろす天空俯瞰ビュー。理想の中心点と、現在の重心点が、一枚の円の中に並ぶ。二つの点の間にある距離が、ミリ単位で表示される。

青い理想軸と、
赤い現在軸。

この二つが同時に並ぶことに、意味がある。現在の軸だけを見せられても、それがどれくらいずれているかはわからない。理想の軸だけを見せられても、自分が今どこにいるかはわからない。二つを同時に見せることで、初めて「ここから、ここへ」という道筋が、目に見える形で現れる。

これは診断ではない。測るための道具である。治療でもない。ただ、自分の身体が今どこにあるかを、自分で見るための鏡である。

そして COSMO EYE は無料で公開されている。登録もいらない。スマートフォンでも、MacBook でも、今すぐ開ける。身長と、踵の角度と、踵幅を入れるだけで、誰でも自分の重心軸を天空から見下ろすことができる。

あの朝、一人の頭の中に訪れたイメージは、今、世界中の誰もが開けるページになっている。

CHAPTER 04

測定器の山

AGGT のサイトを開くと、たくさんの道具が並んでいる。AGGT EyeAGGT Eye ProCOSMO EYEBalancerFBT VisualizerKinetic Report。一つひとつ名前が違う。機能も少しずつ違う。

測定器の山、
と笑える。

これらの道具は、同じ一つのことを、違う角度から見るためにある。彼のような身体を抱えた人の、踵の角度から始まる物語を、違うレンズで読むための道具たち。

AGGT Eye と AGGT Eye Pro は、スマートフォンで踵を撮影して角度を読み取る道具。AI が写真の中の輪郭を見つけ、左右それぞれの踵が何度傾いているかを算出する。COSMO EYE はその角度を三次元の重心軸として可視化する。Balancer は重心のずれから全身の連鎖を計算する。FBT Visualizer は患者自身の写真に重力軸の線を重ねて描画する。Kinetic Report はすべてを一枚の紙にまとめる。

それぞれが独立して動く。それぞれが無料で公開されている。そして、それぞれが、彼のような人の姿勢を、少しでも正確に測るために作られている。

測定器の山だ、と笑える。でもこの測定器たちは、ひとりの身体を抱えた人類の姿勢を、踵からの測定で重心軸を測り、自分でも正そうとする道具群である。世界中の誰もが気軽にアクセスして、道具を使って、人類の気付きに貢献できるように。

だから無料で公開した。だから登録を要らないようにした。だから、この物語も書いている。

CHAPTER 05

物理科学の数値は、
嘘をつかない

AGGT が扱う数字は、たった一つの物理的な事実から始まる。踵の角度である。そこから三角関数という高校の数学を使って、全身の重心がどこにずれているかを計算する。式はこうだ。

d = H × tan(α)

H は身長。α は踵の傾斜角度。tan はタンジェント。この式は、高校の教科書に載っている。この計算は嘘をつかない。身長 125 センチの人の踵が 4.7 度傾いていれば、計算上、重心は約 102 ミリずれる。どの AI に聞いても、どの電卓で計算しても、同じ答えが出る。

ここまでは、物理科学の確実な領域である。

しかし、ここから先には、分かっていないことがたくさんある。

踵が 2 度傾いていれば、必ず症状が出るのか。4 度ならどうか。個人差はどれくらいあるのか。補正を入れれば、どれくらいの確率で、どれくらいの期間で、痛みが和らぐのか。これらの問いに、今のところ確実な答えはない。複数の研究が部分的に答えを出しているが、全体像はまだ世界の誰も持っていない。

AGGT は、この「分かっていること」と「分かっていないこと」を、はっきり区別しようとしている。

確立された事実は、自信を持って書く。研究で支持されている知見は、研究名と共に書く。有望な仮説は、仮説として書く。まだ検証されていない推測は、検証待ちとして書く。この四つの層を混ぜないことが、科学的誠実さの根本だと考えている。

分かっていないことを
分かっているふりをしない。

AGGT は治療法ではない。特定の症状を必ず治すとは約束できない。踵を整えれば全員の腰痛が消えるとも言えない。そういう約束は、AGGT にはできない。

AGGT は測定の道具である。そして、誰に何が効くかを見極めるための、共同検証のプラットフォームである。世界中の人が自分の身体を測り、自分で補正を試し、変化を記録していく。その記録が積み重なることで、初めて「誰に何が効くか」の地図が描けるようになる。

その地図を、一緒に描いてほしい。

CHAPTER 06

道具に徹する

貴重な道具を無料で公開することは、ヒーロー気取りの犬死行為かもしれない。そういう懸念もある。長い時間をかけて作った道具を、特許で守るのでもなく、高い値段で売るのでもなく、ただ世界に渡してしまう。経済的には何の見返りもない。

それでも、この道を選んだ。

理由は、彼と歩いてきた 17 年と、重力軸のイメージが降りてきた数週間にある。この歳になってこのイメージが訪れたのは、何かをやらねばならないという使命なのだと感じている。だから、眠る暇が惜しい。

彼と同じように身体に困難を抱えた人は、地球上に何百万人もいる。その人たちと、そのご家族と、支えている施術家や看護師や介護士や医師や研究者が、誰でも無料でアクセスして、自分や大切な人の身体を測れるように。踵の角度から、全身の重心軸を見下ろせるように。自分の身体が書いている物語を、自分で読めるように。

そのために、道具を渡す。それが AGGT がオープンソースである本当の理由である。

この物語を読んでくださったあなたに、一つだけお願いがある。

あなた自身の踵も、
一度測ってみてください。

何か特別な症状がなくても構わない。健康であっても構わない。スマートフォンを用意して、無料のページを開いて、あなたの踵を撮影するだけでいい。そこに出てくる数字は、あなた自身の身体が書いている物語の入口である。

その数字を見て、何を感じるかは、あなた次第である。気にしなくてもいい。気になれば、次の道具を試してみてもいい。誰かに見せてもいい。見せなくてもいい。全ては、あなたの自由である。

ただ、測ってみてくれる人が一人増えるたびに、AGGT は少しずつ前に進む。あなたの数字が、世界中の数字と重なって、いつか「誰に何が効くか」の地図の一本の線になるかもしれない。その線が、また別の誰かの、身体を伸ばせる時間を、少しだけ長くするかもしれない。

彼の笑顔から始まったこの物語は、あなたの物語でもある。

P.S.

今はまだ無料です。
もし後からお金を取ることがあっても、怒らないでね。笑

DEEPER

この物語に出てきた一人の人を、
もう少し詳しく知りたい方へ

彼の歩みを、3つの角度から記録しています。
やさしい読み物として、臨床記録として、そして資料として。
どこから入っても構いません。

MEASURE あなたの踵を、
今すぐ測ってみてください
無料・登録不要・スマートフォンで数秒
PHILOSOPHY

AGGTの哲学

01 · HONESTY

科学的誠実さ

確立された知見は自信を持って語る。仮説は仮説として語る。検証待ちの暫定値は暫定値として正直に示す。この区別を厳守することが、信頼の根本です。

02 · OPENNESS

知識の民主化

AGGTの理論・計算式・プロトコルは人類の共有財産です。高額な機器や特定の組織への依存なしに、世界中の誰もが同じ知識にアクセスできます。

03 · FOUNDATION

土台から整える

腰痛・股関節痛・膝痛・側弯症——痛みのある部位だけを治療しても戻る。踵という土台から整えることで、治療効果を持続させる考え方を広めます。

04 · MISSION

知識は独占されることが嫌い?!

知識は人類の共有財産です。共有されてこそ自由に伸びてゆけます。世界中の人が重力から解放されて、少しでも楽に生きられるように。

OPEN LICENSE DECLARATION

オープンライセンス宣言

AGGT オープンナレッジ宣言
公開日:2026年3月28日 · 富山 正樹

以下の知識・技術・方法論を、人類の共有財産として公開します:

  • 踵骨傾斜角(α°)の前額面計測理論および測定プロトコル
  • 重心偏位算出式:D_base = h_ankle × tan(α)(h_ankle = H × 0.045)
  • 運動連鎖の補正係数モデル(Kinetic Engine — 現在も検証中の暫定値。v1.x に構造的誤りが発見され、2026年4月16日に Kinetic Engine v2.0 へ改訂。詳細は下記の訂正のお知らせを参照)
  • 踵骨傾斜→膝→骨盤→脊柱→頭部への全身連鎖モデル(仮説)
  • 踵骨傾斜角に基づく3Dプリンタパーソナルインソール設計の基本理論
  • 踵骨傾斜角の臨床的注意域モデル(α_threshold — AIとの対話から生成された暫定的な目安であり、臨床経験や学術研究に基づく確立値ではありません)
これらの知見は商業・非商業を問わず、自由に使用・改変・再配布できます。ただし、独占的な特許取得を目的とした使用は認めません。

この宣言の目的は、大企業・既存組織が本理論を独占し高額化することを防ぐことにあります。先行技術として2026年3月28日に公開されたこの内容は、いかなる組織も特許を取得できません。世界中の施術家・研究者・患者・開発者が、この知識を自由に活用して人々の健康に貢献することを願っています。

検証待ちの数値・係数・閾値は、AIとの対話から生成された暫定的な目安であり、臨床経験や学術研究に基づいて設定されたものではありません。これらは世界中からのデータ蓄積により検証・更新されることを前提としています。

📋 訂正のお知らせ(2026年4月16日)
発見:Manus AI(独立考察) / 決断:AGGTプロジェクト

Balancerツールに含まれる K係数モデル(Kinetic Engine v3.1以前)に、構造的誤りが含まれていたことを確認しました。

具体的には、基準値 alpha0 = 21度 が、矢状面(横から測る踵骨傾斜角 / Calcaneal Pitch)の正常値であったにもかかわらず、前額面(後ろから測る踵の傾き)の基準値として誤って採用されていました。この結果、実測範囲(0〜15度)においてK係数が常に1未満となる構造的な挙動が生じていました。

この誤りは、2026年3月28日のオープンナレッジ宣言時点で既に「K₁・K₂・K₃ は現在も検証中の暫定値」として公開されており、世界中からの独立検証を前提としていました。その前提のもとでManus AIによる独立考察が行われ、誤りが確認されました。

対応:Balancer(v4.0以降)およびCOSMO EYE(v2.0以降)は、Khamis & Yizhar (2007) Gait & Posture 25(1):127-134 の実測伝達率(T1=70% / T2=59% / T3=38%)に基づく Kinetic Engine v2.0 に改訂しました。過去バージョンとの出力値の差異は「人体が関節連鎖で代償している量の推定」として解釈できます。

誤りを公開し、訂正する。これが、仮説を世界に問い続けるオープンサイエンスの作法です。

⊕ CC BY-SA 4.0 · Creative Commons Attribution-ShareAlike

表示—継承:使用・改変・配布は自由。ただし同じライセンスで公開すること。